関西電力高浜原発3、4号機 再稼働認めず 福井地裁

4月14日、関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)に対して福井地裁が下した再稼働差し止めの仮処分決定は、昨年5月の関西電力大飯原発3、4号機(同県おおい町)に対する再稼働差し止め判決に続く画期的な判断です。

仮処分で差し止めを認めたのは初めてで、すぐ効力を発し、関西電力の異議申し立てや本訴での決定が覆されない限り、再稼働はできなくなりました。

決定は、規制行政の根幹をなす新規制基準自体を「合理性を欠く」と断じ、高浜3、4号機だけでなく、全国の原発再稼働の前提となる審査の不備を厳しく指摘しました。

関西電力はこれまで原発で想定する最大の揺れ(基準地震動)をたびたび引き上げてきましたが、決定は「根本的な耐震補強工事がなされることがないまま」だとして「安全設計思想と相容れないもの」だと厳しく批判しています。

原発の耐震設計で想定する最大の揺れである基準地震動を問題視。①この10年足らずの間に4つの原発で基準地震動を超えたケースが5回ある②過去の限られたデータから平均的な値を算出して策定しているとして、「実績のみならず、理論面でも信頼性を失っている」と指摘しました。

また、基準地震動を下回る揺れでも、外部電源や給水ポンプの損傷で炉心損傷事故に至る危険性も指摘しているほか、使用済み核燃料についても「(原子炉)格納容器のような堅固な設備によって閉じ込められていない」と危険性を指摘しています。

そのうえで、事故が起これば、「取り返しのつかない損害を被るおそれが生じる」として人格権が侵害される危険性を指摘して差し止めを認めています。

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関西電力は再稼働の前提となる新規制基準への適合性審査を原子力規制委員会に申請しており、高浜3、4号機が「適合」したとされる審査書が決定されていました。原子力規制委員会・田中委員長は「基準の適合性を審査した。安全だとは申し上げない」として、「ゴーサイン」を出したのでした。まったく無責任な話です。

福島第一原発事故後、「あの時、裁判所が住民の訴えに耳を傾けていれば、こんなことにならなかった」という悔恨(かいこん)の言葉を耳にしました。今回の決定は、「裁判所は行政庁の判断を尊重すべきだ」とする最高裁の長年の考えに抗し、本来の裁判所の役割を示したものとなりました。

国は、国民の自由・平等・安全を保障する義務があります。それは、日本国憲法に書かれています。国は国民に対してその義務に責任を持つべきです、国民をだまそうとしないで。

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高浜原発再稼働差し止め決定(要旨)を数回に分けて掲載したいと思います。