児童虐待死がニュースに

千葉県野田市で小学校4年生の女児が死亡し、父親の虐待が疑われている事件がありました。警察庁のまとめによると、2018年の児童虐待通告は最多の8万人になるといいます。

次世代をまともに育てられない生物は絶滅するでしょう。

埼玉県でも、同様の事件が起きない保証はありません。

専門家である「児童虐待防止協会理事長:津崎哲郎さん」のお話を新聞で読みましたので、そのポイントを書き出してみます。

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今回の事件の最大の問題は、児童相談所、学校、教育委員会が、子どもが出したSOSに気づいていたのに、こたえることができずに救済のチャンスを逃してしまったことです。

家族が転居前にいた沖縄県糸満市がつかんでいた家族の情報を野田市に伝えていなかったこと、子どもが勇気を振り絞って書いたアンケートのコピーを親からの脅しに負けて渡してしまったこと、これらは常識で考えたら、子どもを危険に追いやるものであることは間違いありません。

子どもがうその手紙を書かされたことにも、児相の職員は気づいていました。なのに、引き渡し後の安全策もとらずに家庭に戻す。

それぞれに機関の対応のまずさと連携のまずさから見えてくるのは、子どもへの配慮の欠如です。まずいと思いつつ、親の怒りの矛先をかわすことを優先したのです。

子どもが長期欠席したときに、市教委と児相は連携すべきでした。親のDV(ドメスティック・バイオレンス)や暴力傾向が改善しないなら、親の怒りが子どもに向かうことを予測し、子どもを守るために何ができるか検討するべきです。それぞれの機関に、子どもを守るために必要な基本的な力量が欠けていたとしかいいようがありません。

こうしたケースの場合に、児相は裁判所に申し立てる、警察と連携するなど、子どもを守るための道具を与えられています。その道具を使いこなすノウハウがない。

児相の職員が足りないという問題もありますが、より大きな問題は、経験と知識を積み上げ、自分たちが子どもを守る最後のとりでだという自覚が高く、家族のなかで虐待が生じる構図を見立てる力をもった職員が育っていないことです。

家に帰すべきかどうかを判断するときに、適切な判断ができるようになるまでには最低でも5年から10年の経験が必要です。自治体の人事異動のサイクルは3~5年、所長の異動の平均サイクルは2年です。高度の専門性が要求される仕事なのに、専門性が育たない。

厚生労働省は研修だけでなく、経験を積み重ねた人を現場に残せるよう、自治体と協力して福祉専門職のありかたを考えるべきです。

虐待する親は、暴力で子どもを支配していますが、それが虐待だとは認めません。このやりかたをあらためないという家庭に、無条件に子どもを戻してはいけません。難しい状況のときに、児相が相談できる場が必要です。

弁護士や医師など、難しいケースを見立て、判断できる専門職を児相のまわりに置くような施策は、すぐに実現可能です。児相だけで問題を抱え込まないようにすることです。

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