最近、安部首相が実行すると言い放った【二つのこと】

一つ目は、憲法9条に自衛隊を書き込むという「自民党改憲案」をこの秋の臨時国会に提出すると宣言したことです。

安部首相は、「9条に自衛隊を明記する」だけであり、「自衛隊の権限・任務は変わらない」といいます。しかし、ひとたび憲法に自衛隊を明記すれば、戦力保持を禁止した9条2項の空文化=死文化に道を開き、海外での武力行使が無制限になってしまいます。

首相は、「自衛隊の違憲・合憲論争に決着をつける」といいます。しかし、自衛隊は、9条2項との厳しい矛盾、緊張関係に置かれていたからこそ、軍事力行使に強い抑制がかかり、「戦後一人の外国人も殺さず、一人の戦死者も出さない」となったのです。この矛盾、緊張関係を解き放してしまったら、自衛隊の軍事力行使の制約はなくなってしまいます。

首相は、「自衛隊員が誇りをもって任務を全うできるようにする」ためだといいます。しかし、海外の戦地で「殺し、殺される」戦闘にのぞむことに「誇りをもて」というのは、多くの自衛隊員のみなさんの初心にも反することではないでしょうか。

どの世論調査を見ても、自民党改憲案を秋の臨時国会に提起することに対して、国民の多数が反対しています。国民が望んでもいないのに、権力を握る政権・与党が、自らへの制約をとりはらう改憲議論を強引に推し進めることは、それ自体が立憲主義の乱暴な否定であり、絶対にやってはならないことです。

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二つ目は、来年10月から消費税を10%に増税するとの決意表明をしたことです。

しかし、経済実態は深刻な消費不況が続き、貧困と格差が拡大しています。そもそも、消費税は、所得の少ない人に重くのしかかる逆進性を本質とする悪税です。いまの経済状況のもとで増税を強行すれば、消費不況をいよいよ深刻にし、貧困と格差拡大に追い打ちをかける破局的な影響をもたらすでしょう。

経団連会長は、この増税計画について「確実に引き上げてほしい」とのべています。また、10%に引き上げたとしても欧州各国など他国の水準に比べ日本の消費税率は低いとして、さらに上げるべきだと主張しています。

しかし、この「他国より低い」との発言は間違っています。食料品にかかる消費税率は、イギリス0%(標準税率20%)、ドイツ7%(同19%)、フランス5.5%(同20%)と、現在の日本の8%より低いのです。

そもそも、政府は食料品の税率8%を「軽減税率」と呼びますが、これは食料品に8%の高税率適用を続けるものです。世界的にみても負担の重い食料品の消費税率の維持にほかなりません。

総務省の家計調査(2人以上の世帯)によると、2017年度のエンゲル係数(消費支出に占める食費の割合)は25.8%。安倍政権発足前(2012年度、23.4%)と比べると2.4ポイントも上がりました。食料品への高い課税は生活を直撃します。

直近の世論調査でも、国民の8割以上が、「アベノミクスで景気回復の実感はない」と答えています。日本経済の6割を占める家計消費は落ち込んだままです。安倍政権のもとで、家計消費は、2人以上世帯の実質消費支出でみて21万円減っています。消費税10%にすれば、国民の生活は苦しくなり、さらに景気が悪化するのは明らかです。