地方自治体 基金残高21兆円超す 7割【将来の備え】

総務省は11月7日、地方自治体で行っている「基金」の積み立ての調査結果を発表しました。

自治体の基金残高総額は2016年度末で21.5兆円。基金は10年間で7.9兆円増加し、調査結果ではこのうちの約7割(5.7兆円)が、公共施設の老朽化対策や災害対応など「将来の歳入減少・歳出増加への備え」でした。

基金をめぐっては、政府の経済財政諮問会議で残高増が問題視され、地方交付税削減につなげようとする議論が行われてきました。6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2017」(骨太の方針)には基金の「調査・分析」が盛り込まれ、今回の調査はこれを受けたものです。

総務省の分析によると、「将来の備え」が要因で増えた基金5.7兆円の内訳は、公共施設等の老朽化対策等(2兆円)、災害対策(0.9兆円)、景気動向による税収の変動への備え(0.8兆円)、社会保障関係経費の増大(0.7兆円)などでした。

残りの増加分2.3兆円は国の制度に関連するもの。合併した市町村が受けられる財政支援の期限切れ後を見据えた積み立てが1.7兆円で、地域医療介護総合確保基金など国の施策に基づき設置された基金の増額が0.6兆円でした。

基金残高増を理由に地方交付税を削減しようとする国の動きに対して、全国知事会など地方6団体は「断じて容認できない」と反発しています。国の政策が将来に対して準備不足なために、地方自治体が自主的に対応した結果が、この基金残高に表れています。その点を国は理解すべきでしょう。