前文に【国を愛する態度】 学習指導要領改定案

文部科学省は2月14日、【小中学校の学習指導要領】【幼稚園教育要領】の改定案を公表しました。「第1章総則」の前に「前文」を新設、改悪教育基本法第2条を明記し「国を愛する態度」など20項目の徳目を掲げます。子どもたちに求められる「資質・能力」を国として定め、その育成のための指導方法、学習評価のあり方まで細かく示し、いっそう教育現場を縛るものとなっています。

幼稚園教育要領でも「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を明示しました。「我が国の国歌に親しむ」が新たに加わりました。

学習指導要領はおおよそ10年ごとに改定されており、改定案は、昨年12月の中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)「答申」を受けてのもの。前回改定は、2006年12月の教育基本法改悪後の2008年です。

改定案は「資質・能力」について
(1)知識・技能
(2)思考力・判断力・表現力等
(3)学びに向かう力・人間性等―の三つに整理。
すべての教科等の冒頭に、三つの柱に即して「資質・能力」の育成の目標を示します。

「主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善」を強調。その方向を細かく規定したうえで、各学校に「カリキュラム・マネジメント」(教育課程の編成、実施、改善)を迫ります。

「特別の教科 道徳」は先行して2015年3月改定され、2018年度から小学校で、2019年度から中学校で全面実施。検定教科書を使い、数値化はしないものの記述による「評価」が行われます。

文科省は3月15日まで意見募集を行い、年度内に改定学習指導要領を官報告示。小学校2020年度から、中学校2021年度から全面実施するとしています。

また、この動きと一体に、厚生労働省は、保育所に通う3歳以上の子どもが「国旗(日の丸)」や「国歌(君が代)」に親しむことなどを盛り込んだ【保育所保育指針】の改定案について、パブリックコメント(意見公募)をしています。募集期間は3月15日まで。

戦時中、国が決めた教育方針で育てられた子どもたちは、戦争で天皇のため命をささげることを当然だと思っていました。安倍政権が進めている「海外で戦争する国づくり」を見る現在、この動きを心配してしまう。

国の定める教育方針が最上位に置かれ、個人の尊厳がおろそかにされ、本来の教育の目的である一人ひとりの子どもの「人格の完成」、そして、その結果として、次代を担う「主権者教育」が実を結ぶことが、おろそかにされてはならないと思う。