厚労省が新通達 【労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン】

厚生労働省が長時間労働是正とサービス残業根絶のため「4・6通達」に代わる新通達を出しました。電通過労自殺事件などで問題となった残業時間の自己申告制などの対応について明文化しています。

新通達は、1月20日付で厚労省労働基準局長が各都道府県労働局長にあてたもの。ごまかされがちな労働時間の問題などを整理しています。

新設した「労働時間の考え方」という項目には、労働者が使用者の指揮命令下にあれば明示的な指示がなくても労働時間にあたるとしています。

着替えなど準備行為、清掃など後始末,指示があればすぐ業務に入る必要がある待機時間、参加義務のある研修や学習なども労働時間にあたることが明記されています。

電通や三菱電機などで、労働者に労働時間を自己申告させる際、実際の労働時間より短く報告させる過少申告が行われていました。

新通達が自己申告制について整理した点をみると、使用者の講ずべき措置として、職場の入退場記録やパソコン使用時間の記録などと自己申告時間の乖離をもとに実態調査し、補正することを明記しています。「自主的な研修」なども、実際には使用者の指揮命令下にあれば労働時間として扱うとしています。

労使で取り決めた残業時間の「三六(さぶろく)協定」を超過しながら、守っているように見せかける偽装がないか確認することも指摘しています。

これまでの「4・6通達」は、新通達が出されたことにともない、廃止されます。新通達の名称は、「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準」の「基準」が「ガイドライン」に変更されています。

厚労省長時間労働削減推進本部が昨年12月26日に、「過労死等ゼロ」緊急対策を発表し、「新ガイドラインによる労働時間の適正把握の徹底」をあげていました。

厚労省は、新通達の位置づけについて、「名称は変わったが、位置づけは変わらない。賃金不払い残業の是正結果発表などの対応も変わらない」と説明しています。

新通達の趣旨には、「使用者は、ガイドラインを順守すべきものである」と記載。順守指導において悪質事案では「司法処分を含め厳正に対処する」としています。