長時間労働の私たちへの影響

私たち人間は、1日24時間という限られた時間のなかで、「寝て、起きて(活動、遊び、労働)」を繰り返して生きています。寝ないと死んでしまいます。長時間労働による影響は、その本人への影響だけではありません。家庭があれば、家事の分担、子育てへの参加、地域の活動への参加などが犠牲になります。

その結果、どんな影響が出るでしょう。「人」という字は、もたれ合っている、助け合っていることを示していると小学校で教わりました。人は、一人では生きていけません。家庭は、社会の縮図とも言われます。家庭での助け合いが削減され、弱まってしまうと、「人間らしい助け合いの心」を次世代に引き渡すことができなくなってしまう。そんな心配をしてしまう。そうはさせたくない。社会が壊れてしまうから。


今回は、「長時間労働の本人の身体への影響」という視点で考えてみます。「厳選 労働問題弁護士ナビ」ホームページから、一部分抜粋し参考にしたい。詳細は、ホームページをご覧ください。https://roudou-pro.com/columns/34/


【過労死の症状と例とその前兆】

過労による身体の影響は、主に脳と心臓に出てきます。また、仕事へのプレッシャー、パワハラなども重なり精神疾患から、自殺をしてしまう人も出ています。睡眠不足、過労により居眠り運転・風呂場での事故死なども過労死として認定された例があります。


【脳梗塞・くも膜下出血】

脳の血管が詰まる脳梗塞や、脳の血管から出血があるくも膜下出血など、脳血管疾患いわゆる脳卒中が過労死でも多くなっています。


【脳卒中の前兆としては、】

・顔や手足の片側が麻痺する

・ろれつが回らない、口が閉じない

・めまいや立ちくらみ

・目の焦点が合わない

などがあります。


【脳梗塞をチェックするFAST法】

前兆に心あたりがある方は、FAST法というチェック方法があります。試してみて、1つでも当てはまるようでしたら、病院に診てもらうようにして下さい。

・FACE(顔):口の形を「イー」とやった時に、片側に引きつらないか

・ARM(腕):腕を正面に上げて(前にならえの形)、10秒間目を瞑り、腕が下がらないか

・SPEECH(話し方):短い単語、例えば「明日は休み」などをしっかり言えるか

・TIME(時間):上記に当てはまれば、すぐに病院に行くこと


【心筋梗塞・虚血性心疾患】

心臓を動かす筋肉の異常や、心筋の血管のつまりなどによる心疾患も過労死では多く見られます。


【心疾患の前兆としては、】

・胸やみぞおちを圧迫するような痛み

・左肩から背中にかけての痛み

・吐き気

・冷や汗

・奥歯や下顎の痛み

・左手小指の痛み

・呼吸困難や息切れ

などがあります。当てはまる方は、無理に働き続けることは危険です。一度病院で診てもらうようにして下さい。


【過労自殺】

過労によるうつ病が原因で、自殺してしまうことも過労死として認定されます。


【うつ病の前兆としては、】

・睡眠障害(眠れない・起きれない)

・何をやっても楽しくない、趣味が無い

・イライラしたり、焦燥感がある

・集中力の低下、考えがまとまらない

・死にたいと思うようになる

以下のような症状が当てはまるようであれば、一度心療内科や精神科の診断を受けるようにして下さい。うつ病の原因を取り除くことも大事ですが、うつ病の症状を緩和することが先決です。


【睡眠不足・過労による事故】

長時間労働による過労や睡眠不足が原因で、勤務中・通勤途中の交通事故(居眠り運転)や、風呂場での溺死が労災と認定されたケースも有ります。以下の様なケースが当てはまるようでしたら、身体を休めることを即刻考えるべきです。

・記憶力、集中力の低下

・急に意識が飛ぶ

・1日中眠気に襲われる

・イライラする、焦燥感がある

・吐き気、めまい


長時間労働で身体に支障が出れば労災と認定される

上記のような症状が出てきて、病院から心疾患やうつ病などと診断されれば、労災として認定されることがあります。ここで判断基準になってくるものが、過労死ラインです。


【脳・心疾患の場合】

上記でも少し触れたように、脳・心疾患の発症前2~6ヶ月の間に、平均して80時間の時間外労働や、発症1ヶ月前に100時間を超える時間外労働をしていると、脳・心疾患との関連性が高いとされています。

また、発症前1~6ヶ月の時間害労働が45時間を超えていると、徐々に関連性が高く見られます。45時間以内だと、労働時間での関連性は低いと判断される事が多いでしょう。


【精神疾患の場合】

うつ病などの精神疾患の場合、発症の1ヶ月前に160時間、3週間前に120時間の時間外労働があると、労災と認定される可能性が高くなります。また、発症前2ヶ月連続で120時間、3ヶ月連続で100時間の時間外労働がある場合も、関連性が高くなります。

1ヶ月に時間外労働が100時間程度の場合でも、パワハラや転勤、2週間以上の連続勤務などの心理的負荷のある他の要因が当てはまるようであれば、関連性は高いと判断されることもあります。


健康障害が出ていて、労災に認定されるかもと思った方は、まずは相談することから始めて下さい。しかし、本人は、身体の異変を我慢し過ぎたり、周りの人に心配させたくないと思ったり、自分の殻に閉じこもってしまったり、周囲に知られないようにしたり、そんな話をよく聞きます。周りの身近な人が早めに気付いて、声を掛け相談にのってやりたいものです。